2024年07月22日
もんちゃんという男

息子2人は、小学5年生と6年生になった。
奄美では週に1回、本山先生に陸上を習っていたが、こっち(奈良)に来てからも陸上を続けている。
いま通っているクラブは結構な大所帯で、コーチが何人もいるのだが、呼び方は「〇〇コーチ」だったり「〇〇ちゃん」というニックネームだったり、いろいろだ。
その中に、子どもから保護者にまで「もんちゃん」と呼ばれているコーチがいる。
まだ20代の若者なのだが、実に気さくな人柄で話しやすく、めちゃくちゃ面倒見もいい。
ゆえに子どもたちから絶大な人気を誇り、保護者からのウケも抜群だ。
先日、小学生から社会人までが参加するとある大会があって、もんちゃんも選手として100m走に出場した。
会場は、いつも練習で使っているスタジアム。
出走前の選手紹介に、スタンドの子どもたちからホームの大声援が飛ぶ。
照れくさそうに右手を上げるもんちゃん。
さあいよいよレース開始、ゴール後に足を抱えて倒れこむもんちゃん。
肉離れを起こしたらしい。
もんちゃんの一大事に、応援席がざわめく。
心配でいてもたってもいられなくなった子どもたちは顔を見合わせ、勝手知ったるホームスタジアムを走り、もんちゃんの元へ向かう。
数十分後、車いすに乗ったもんちゃんが、はにかみながら子どもたちに囲まれて応援席に帰ってきた。
保護者からも拍手と、ねぎらいの声がかけられる。
観戦に来た卒業生の女の子から「こんな日もあるさ。くじけず頑張りたまえ^-^」と、肩を叩かれミニコントをしている。
いい風景だな、羨ましいなと思った。
さっきは照れくさそうに手を上げたもんちゃんだったが、やはり声援は相当嬉しかったに違いない。
いいとこ見せたかったに違いない。
だから肉離れするまで頑張っちゃったんだろう。
そんなもんちゃんだから、人気がある。
それが、もんちゃんという男だ。
Posted by 井田陽平 at 11:58│Comments(0)