2024年08月14日
奈良の月

奄美もそうだと思うけれど、奈良も今年の夏は暑い。
なんか毎年、暑さのマックス値が更新されている感じで、35℃以上の猛暑日が何日もあって、今日もそうだ。
奄美から奈良に来て、気候ギャップ的に一番こたえたのは冬の寒さだが、夏の暑さも大概だ。
普通に考えれば、緯度が赤道に近いほうが気温は高いだろうし、実際、年平均気温とかを比べればそうなっているのだろう。
ただ、奈良には奄美とはまた違った暑さがある。盆地の暑さだ。
島だったら、暖められた陸上の空気が上昇して、暖まりにくい海上の空気が吹き込んでくる、いわゆる海風が吹くので、暑くなりすぎない。
これに対して盆地では、このような空気の循環を山地が遮ってしまうため、空気が流れず、気温が上がりやすい。
下手をすると、山の反対側で雨を降らせ、乾いて熱くなった風が吹き下ろしてくることになる。フェーン現象ってやつだ。
これが盆地の暑さのメカニズムだが、この“周りをぐるッと山に囲まれてる感”は暑さを倍増させる。
それと、たとえ海風が吹かなくても、あの青い綺麗な海が見られるのと見られないのとでは、感じる暑さに雲泥の差がある。
こっちに来てみて分かった。海があるのは思いの外、っていうか、超重要だ。
海なし県の奈良では無いものねだりなのだが、奈良にだって美しいものはある。
そのひとつが、月の美しさ。
明確な理由は分からないけれど、どこで見ても月は月なのだけれど、奈良の月はいい。なんかいい。
万葉集にも奈良の月はたくさん詠まれているが、その気持ち分かる、詠みたくなっちゃうよねーって思う。
先日は親戚のいる明日香村に行ってきたのだが、明日香村といえば、聖徳太子が政治を行い、大化の改新が起こり、日本最古の富本銭が見つかった場所だ。
そこの山に登る月も、また格別の味わいがあった。
この暑さを乗り切れば、秋から冬にかけて、中秋の名月や紅葉など、奈良が美しい季節を迎える。ぜひ奄美人にも見せたい美しさだ。
ただし、盆地の冬は超寒いけどね、これがまた。
Posted by 井田陽平 at 15:45│Comments(0)